【衝撃のニュース】SHEINがEverlaneを買収──サステナブル信仰が崩壊した日、僕らが目撃した”理想の死”




はじめに

SHEINに買収された
Everlane

こんにちは、Tomoです。

正直に言います。このニュースを見たとき、画面を二度見しました。

2026年5月、ファッション業界に激震が走りました。ウルトラ・ファストファッションの帝王・SHEINが、サステナブルファッションの象徴・Everlaneを1億ドル(約140億円)で買収したんです。

「え、ちょっと待って。あのEverlaneが?」

そう思ったあなた、あなたの感覚は正しい。これは、ただの企業買収じゃない。僕たちが10年以上信じ続けてきた”倫理的なファッション”という理想が、音を立てて崩れ落ちた瞬間なんです。

20年間で1000万円以上をファッションに注ぎ込んできた僕が、なぜこの買収にこれほど衝撃を受けたのか。そして、これから僕たちはどうファッションと向き合えばいいのか。

今日は、熱量全開で語らせてください。


この記事の著者

累計100万人以上の悩みに寄り添ってきたファッション悩み解決の専門家

TOMO

トモ

プロフィール

三度の飯より服が好きな服マニアのブロガーのtomoです。 このブログを通じて、ファッションの魅力をどこよりも詳しくわかりやすく解説しています。 いま気になるブランドやアイテムを買うかどうかで悩んでいる人は多くいます。 そこで、今まで服に使った金額が「1000万超え」の私のこれまでの経験と実体験をもとに200以上のブランドをブログで解説しています。 今では月に10万人以上に読まれているブログとなっています。


Everlaneって何? なぜ特別だったのか

「透明性の革命」が起こした衝撃

2011年、サンフランシスコで1つのブランドが誕生しました。それがEverlaneです。

創業者のマイケル・プレスマンが掲げたのは、**「Radical Transparency(徹底的な透明性)」**というコンセプト。

従来のファッション業界では、原価5ドルのTシャツが店頭で40ドル、50ドルで売られていても、消費者は何も知ることができませんでした。ブランドは「どこで作っているか」「誰が作っているか」「いくらかかっているか」を一切明かさなかったんです。

Everlaneは、その常識をぶち壊しました。

例えば、50ドルのTシャツの内訳を完全公開したんです。

  • 素材費:6.50ドル
  • 人件費:7.60ドル
  • 関税:2.40ドル
  • 輸送費:0.90ドル
  • 合計原価:17.40ドル

そして、「通常のブランドなら8倍のマークアップをかけて売るけど、僕たちは2倍程度に抑えます」と宣言した。

さらに、工場の写真を公開し、労働環境を見せ、製造プロセスを詳細に語った。

「あなたが買う服が、誰によって、どんな環境で、どれだけのコストで作られているか。それを知る権利があなたにはある」

この姿勢に、僕たちミレニアル世代は熱狂しました。

僕もEverlaneに惚れ込んだ一人だった

2010年代半ば、僕はEverlaneのTシャツを3枚持っていました。

シンプルで上質なコットン。肌触りが良くて、洗濯を繰り返しても型崩れしない。そして何より、**「これは搾取じゃなく、正当な対価で作られた服だ」**という安心感がありました。

当時の僕は、ファストファッションに疑問を感じ始めていた時期でした。H&Mで買った990円のTシャツが、3回洗濯したらヨレヨレになる。一方で、ハイブランドのTシャツは3万円する。

「もっと真ん中の選択肢はないのか?」

そんな僕たちの願いに応えてくれたのが、Everlaneだったんです。


SHEINとは何者か──”ファッション界最大の悪夢”

想像を絶するスピードと規模

一方、SHEINはEverlaneとは真逆の存在です。

中国発のウルトラ・ファストファッション企業。2008年創業で、2020年代に爆発的に成長しました。

その規模と速度は、常軌を逸しています。

  • 1日に6,000〜10,000の新商品を投入
  • 価格は数ドル〜20ドル程度
  • AIとビッグデータでトレンドを瞬時に捉え、デザインから販売まで最短7日
  • 2023年の売上高は約450億ドル(約6兆円)

ZARAやH&Mが「ファストファッション」と呼ばれていた時代が、牧歌的に思えるほどの速さです。

環境破壊と労働問題の象徴

しかし、その裏側は悲惨です。

  • 2023年から2024年にかけて、CO2排出量が23%増加──この1年の増加分だけで、Gapの年間排出量を上回る
  • 大量の服を航空便で直送するため、環境負荷が極めて高い
  • サプライチェーンでの児童労働が2件発覚(2023年報告)
  • 有害化学物質が基準値を超えて検出された製品が複数報告
  • デザイン盗用疑惑が絶えない

SHEINは、僕たちが「持続可能なファッション」を語る際に、”倒すべき敵”として名前が挙がる存在だった。

そのSHEINが、Everlaneを買収した。

皮肉にもほどがあります。


なぜこの買収は起きたのか──Everlaneの転落と、SHEINの野望

Everlaneが抱えていた「矛盾」

Everlaneが抱えていた「矛盾」

実は、Everlaneは数年前から問題を抱えていました。

最大の転機は、2020年のコロナ禍。

同年、顧客サービス部門の従業員たちが労働組合結成を目指して動き出しました。すると、Everlaneはその従業員たちを解雇したんです。

「コロナの影響で人員削減が必要だった」と会社側は説明しましたが、従業員たちは「これは労働組合潰しだ」と主張。バーニー・サンダース上院議員までもがこれを非難する事態になりました。

さらに、社内での人種差別問題も浮上。「Radical Transparency(徹底的な透明性)」を掲げていたブランドが、自社の労働環境については”不透明”だったという矛盾が露呈したんです。

これにより、ブランドの信頼は大きく毀損。

売上激減、赤字転落

赤字転落

経営面でも厳しい状況が続きました。

  • 2023年の売上は約2億ドル→2026年初頭には約1.7億ドルまで減少
  • 直近では年間1.5億ドルの赤字を計上
  • 負債は約9,000万ドルに膨れ上がっていた

資本を投下しても、リターンを生み出せない構造に陥っていたんです。

2020年にL Catterton(プライベート・エクイティ・ファーム)が8,500万ドルを出資して経営権を握りましたが、状況は好転せず。最終的に、L Cathertonは「もう無理だ」と判断し、売却先を探し始めた。

そこに現れたのが、SHEINでした。

SHEINの戦略的な狙い

SHEINの戦略

では、なぜSHEINはEverlaneを買収したのか?

答えは明確です。「ブランド資産の獲得」。

SHEINは今、大きな壁にぶつかっています。

  • 米国のデミニミス制度(少額輸入品への関税免除)が廃止される見込み──これまでSHEINは、この制度を使って格安品を大量に米国へ流し込んでいましたが、それができなくなる
  • 労働問題や環境問題で、各国政府からの規制圧力が強まっている
  • IPO(新規株式公開)を目指しているが、「倫理的に問題がある企業」というイメージがネック

つまり、SHEINは「信頼」と「正当性」が欲しかった。

Everlaneが持つ「サステナビリティ」「倫理的」「透明性」というブランド資産は、IPOのプロスペクタス(目論見書)や規制当局との対話において、**非常に有効な”シグナル”**として機能します。

もちろん、実際にEverlaneの理念を守るかどうかは別問題です。

SHEINのCEOは「Everlaneは独立したブランドとして運営し、サステナビリティへの取り組みは維持する」とコメントしていますが、本当にそうなるかは、誰にもわかりません。


業界の反応と消費者の悲鳴

「裏切られた」という怒りの声

SNSでのコメント

SNSでは、怒りと悲しみのコメントが溢れました。

「Everlaneに高いお金を払ってきたのは、倫理的だと信じていたから。それがSHEINに売られるなんて、完全に裏切られた気分」

「サステナブルファッションなんて、結局マーケティングだったんだ」

「もうどのブランドも信じられない」

僕も、同じ気持ちです。

僕たちは、安心を買っていたんです。

Everlaneの服を着ることで、「自分は搾取に加担していない」「環境を破壊していない」と信じることができた。その安心が、一瞬で崩れ去った。

専門家の冷徹な分析

サステナブルファッション研究機関「New Standard Institute」のディレクター、マキシーヌ・ベダットは、PBS Newshourのインタビューでこう語っています。

「Everlaneは、オバマ時代の楽観主義の象徴でした。”買い物で世界を変えられる”という信念。でも、この買収でそれが幻想だったと証明されたんです」

「僕たちは”サステナブルな服”を買うことで世界を良くできるという考えから、離れなければなりません。本当に持続可能な産業を作りたいなら、法的な規制が必要です。消費者の選択に任せていては、何も変わらない」

これは、非常に重い指摘です。

つまり、「良い消費者であろう」と努力しても、構造的な問題は解決しないということ。


サステナブルファッションの”嘘”──なぜAllbirdsもEverlaneも失敗したのか

Allbirdsの崩壊も記憶に新しい

Allbirdsも崩壊

実は、Everlaneと似たような崩壊劇が、もう1つありました。

Allbirds(オールバーズ)です。

ニュージーランドのメリノウールを使ったスニーカーで一世を風靡したAllbirdsも、「サステナブル」「環境に優しい」を全面に打ち出していました。

しかし、2024年に株価が暴落し、2025年にはわずか3,900万ドル(約55億円)で売却されました。最盛期の評価額は約40億ドルだったので、99%の価値を失ったことになります。

共通する失敗の構造

共通する失敗の理由

EverlaneもAllbirdsも、同じ過ちを犯しました。

「サステナビリティを”マーケティングの皮膜”として使い、”運用上の基盤”にしなかった」

どういうことか?

彼らは、「僕たちは倫理的です」というストーリーを語ることで、消費者の心を掴み、VC(ベンチャーキャピタル)やPE(プライベート・エクイティ)から高額の資金を調達しました。

でも、実際のサプライチェーンや生産経済において、他社を圧倒する優位性を構築できなかった。

  • 素材の調達コストは、結局普通のブランドと変わらない
  • 製造プロセスの効率化も、特別なものではない
  • 価格設定は「倫理的プレミアム」を上乗せした分、競合より高くなる

つまり、消費者がブランドの”物語”を信じている間は良いけれど、その信頼が崩れた瞬間、何も残らなかった。

Everlaneの労働組合潰し疑惑は、まさにその「信頼崩壊」のトリガーになりました。


中国ファッション企業の戦略転換──「安かろう悪かろう」からの脱却

中国政府が求める「高付加価値化」

「高付加価値化」
とは?

実は、この買収には、もう1つの大きな背景があります。

中国企業の戦略的な転換です。

中国政府は今、国内企業に対して「内巻(ネイジュアン)」と呼ばれる、終わりのない価格競争からの脱却を求めています。

代わりに、持続可能な成長、高付加価値化、国際的な競争力の向上を重視する方針を打ち出している。

SHEINのEverlane買収は、まさにその方針に沿ったものです。

「安売り」から「ブランド構築」へ

「ブランド構築」
のフェイズ

中国企業は、これまで「安く大量に作って売る」というモデルで成長してきました。

しかし、それだけでは限界がある。本当のグローバル企業になるには、”ブランド”が必要なんです。

SHEINは、Everlaneを買収することで、

  • 米国市場での信頼性と認知度
  • 倫理的・サステナブルというブランド資産
  • 高価格帯市場へのアクセス

を一気に手に入れました。

これは、単なるEverlaneの救済ではなく、中国ファッション企業の戦略的な「西側ブランド買収」の始まりかもしれません。

今後、他の中国企業も同じように、欧米の有名ブランドを次々と買収していく可能性があります。


僕たち消費者は、これからどうすればいいのか

「倫理的消費」という幻想から目を覚ます

「倫理的消費」という
幻想から目を覚ます

正直に言います。

僕たちは、”良い買い物”をすることで世界を変えられると信じすぎていました。

もちろん、消費者としての選択は大事です。でも、それだけでは構造的な問題は解決しない。

マキシーヌ・ベダットが言ったように、法的な規制や業界全体の基準づくりが必要なんです。

じゃあ、僕たちは何ができる?

このニュースから
学んだこと

僕が20年間、ファッションにお金を使い続けてきてこのニュースから学んだことをシェアします。

① 「長く着られる服」を選ぶ

サステナブルかどうかより、**「5年後も着ているか?」**を自問してください。

僕が15年前に買ったPatagoniaのフリースは、今でも現役です。一方、3年前に買った”サステナブル”を謳うブランドのTシャツは、もう着ていません。

本当のサステナビリティは、”捨てない”こと。

② ブランドの言葉ではなく、行動を見る

「僕たちは倫理的です」と言うブランドより、実際に長期的な取り組みを続けているブランドを選びましょう。

例えば、Patagoniaは「地球が唯一の株主」と宣言し、創業者が会社の所有権を環境保護団体に譲渡しました。これは言葉ではなく、行動です。

**③ 「安すぎる」には理由がある

3ドルのTシャツが存在できるのは、誰かが搾取されているからです。

もちろん、お金がない時期もあります。僕も20代の頃は、ユニクロとGUに頼っていました。

でも、**「なぜこの価格なのか?」**を考える習慣を持つだけで、消費の質は変わります。

**④ 二次流通を活用する

新品にこだわる必要はありません。

メルカリ、ヤフオク、セカンドストリート、Poshmarkなど、二次流通市場は充実しています。Everlaneの服も、二次市場で買えば、少なくとも”新たな生産”には加担しません。


僕が今、一番伝えたいこと

この記事を書きながら、僕は何度も立ち止まりました。

「ファッションを愛し続けることは、罪なのか?」

でも、違う。

僕たちは、服を愛していい。おしゃれを楽しんでいい。

ただ、盲目的に信じるのをやめるべきなんです。

Everlaneが教えてくれたのは、**「理想だけでは、ビジネスは続かない」**という残酷な現実です。

でも同時に、**「だからこそ、僕たち自身が賢くならなければいけない」**というメッセージでもあります。


おわりに──それでも、希望を捨てない

あとがき

SHEINによるEverlane買収は、確かに衝撃的でした。

でも、これで終わりじゃない。

本当に誠実なブランドは、まだ存在します。

Patagonia、Nudie Jeans、Eileen Fisher、そして日本のKUONやSASAWASHIのような、地道に取り組みを続けているブランドたち。

そして何より、僕たち消費者が「なぜこれを買うのか?」を問い続ける限り、ファッション業界は変わり続けます。

Everlaneが失敗したのは、彼らが”物語”に頼りすぎたから。

僕たちは、物語ではなく、事実を見ましょう。

そして、本当に価値のあるものにお金を使いましょう。

20年間で1000万円をファッションに使ってきた僕が、最後に伝えたいのはこれです。

「安心を買うな。価値を買え」


この記事の著者

累計100万人以上の悩みに寄り添ってきたファッション悩み解決の専門家

TOMO

トモ

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三度の飯より服が好きな服マニアのブロガーのtomoです。 このブログを通じて、ファッションの魅力をどこよりも詳しくわかりやすく解説しています。 いま気になるブランドやアイテムを買うかどうかで悩んでいる人は多くいます。 そこで、今まで服に使った金額が「1000万超え」の私のこれまでの経験と実体験をもとに200以上のブランドをブログで解説しています。 今では月に10万人以上に読まれているブログとなっています。

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